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photo by Aaron

「Gallery & Creative Studio SPES-LaB」

蒸し熱い夏の一ヶ月間に及ぶ壁画制作を終え、改装工事としばらくのインターバル期間の後、SPES-Labは2011年12月にスタートしました。
つまりは、3.11から約4ヶ月後に作業に入り、9ヶ月後にやっと動き始めた事になります。

3.11直後、多くの人がそうであったように、自分もまたこれまでの価値観を見直す岐路に立たされました。
自分達が生まれたこの国を信用出来なくなり、東電や官僚のやってる事が心底馬鹿馬鹿しく思えたし、
国家がセコい一企業のように小さく見えました。
どうしてこんな事になってんの?から徐々に構造全体にフォーカスしていき、マクロな視点と、一個人としての視点とが同居する、パラノイアな世界にしばらく翻弄されていたように思います。

さて、そろそろ足下見なきゃ~なんて、今後の日本が歩む経済環境に、アーティストはどんな選択肢を迫られるんだろうかと、
ド素人ながら想像を馳せてみたものです。
色々参考資料片手にあれこれ可能性を考えたり、、
暗いイメージばかりが目の前に立ちはだかる中、ふと回りを見渡せば才能あるアーティストばかりです。
逆にこれを機に、皆が才能と情報を持ち寄れば、もの凄い柱がおっ立つのではと考えるに至りました。
00年代に広がりきった、細分化しきった編み目を、一つに纏めるのではなく、それぞれにリンクを張り合うような関係性を持たせる。
その為に、「経路」や「場」のような環境を、整備する事に集中してみようかと。

大まかに言うと、このような流れでSPES-LaBを立ち上げるに至ったわけです。

photo by Aaron

SPES-LaBには二つの側面があります。
一つは「場」としての機能。Exhibitionや展示会の為のGalleryとして。
皆が、アーティストが、交流するParty会場として。制作や実験、放送の為のStudioとして。
もう一つは「経路」としての機能。
LaBが目指すのは、アーティストやクリエイターへの注目を促すハブのような存在です。
才能を吸い上げる形で成立するピラミッド型の構造ではなく、個々人が自立している状態でリンクし合う、ソーシャルな形態でのプロダクションチームであり、言うなれば極小規模のプロダクションの集合体のような形態なのです。
それは、端的にアーティストの活動を報道するメディア的機能だけではなく、あくまで共同作業を中心とした、強い接点をもったリンクです。
そして同時に、リンクは雇用/被雇用の関係ではなく、クリエイティブなプロセスを通じて繋がる、リスペクトを伴った関係です。

311以降、皆が一致団結してこの局面を乗り越えようとする動きに心打たれますが、逆に、日本から脱出するといった選択肢も支持されて良いはずです。個人それぞれの環境は、共通してシリアスな局面を迎えているが故に、個々の考えの違いが大きく広がっているようにも見えます。
当たり前の事ですが、皆が皆、別々の人生を生き、それぞれの人生観をもっています。
その事が改めて強烈に、浮き彫りになっているかのようです。
では、それぞれがバラバラのスタンスのまま、互いに繋がりを保ったコミュニティとして機能するには、どういった形態が可能なのか?

その事に頭を働かせています。

ピラミッド構造から、球形の多層構造へ。
切り取るレイヤーによって、上下左右前後がいつでも逆転するようなフレキシブルな関係をもって、太い柱を立てる。
マジで頭の悪い国家や官僚に任せない。冷えきった、固まりきった組織や仕組みから自立する。
文化を継承するのは我々庶民の責任なのだ、、なんて、少々誇大妄想気味な考えに、私は真剣に取り組んでいます。

art director : Koutaro Ooyama

photo by Hajime. Takuma


NEXTEFX ver.1.02

SPES-LaB立ち上げのVTR。MON aka Koutaro Ooyamaが室内を壁画で埋め尽くしていく。
artist: Koutaro Ooyama a.k.a. MON
edit/camera: Yoshinori Kataoka